かけっこの練習は最初が肝心です。初日・初回につまづくと子供のやる気が一気にしぼんでしまいますからね。
親としては「速く走れるようにしてやりたい!」と思うから、ついつい口調が強くなるし、厳しいメニューを課してしまいますが、続かなかったら結果(=かけっこで1位)はついてきません。
これまで「走る」ことを見よう見まねで身に付けてきた子供に、「速く走れる方法」を身に付けさせるのはとても難しいです。
というのも、子供は競争心が強くないし、既に出来ることより出来ないことをやりたがります。
そんな子供に速く走ることに興味を持たせながら、かっけっこの練習をする方法を解説しています。どうぞ参考にしてください。
目次
かけっこの練習方法
かっけっこの練習は、運動会の直前より1ヶ月、2ヶ月前から少しずつ始めた方がいいでしょう。
子供は大人ほど身体能力の差はありませんから、直前の練習(フォームの改善)でも効果は出やすいですが、基礎体力・脚力の向上を考えるなら練習期間は長い方がいいです。
ただ、個人差はありますが、子供は飽きっぽいので、手を替え品を替えしないと続きません。『●●が出来るまで』と考えるより、「(飽きてきたな)」と思ったら次へ次へとテンポよく飽きさせないように工夫しましょう。
そして、スパルタは禁物です。続けることが大切ですからね!
かけっこ練習のポイント
叱らない・怒らない・走ることを楽しませる
子供は親が思ってるほど、「かけっこで1位を取る」ことに執着していません。
親が喜ぶから「1位を取りたい」とは言うものの、それと「練習を頑張る」のはリンクしないものです。だから、「1位になりたいんでしょ!頑張りなさい!」という理屈は通用しません。まずこの点をしっかり理解しておきましょう。
理解していないと、「怒る・叱る」に繋がります。
「親と一緒に遊ぶ」スタンスでかけっこの練習をするのがポイントです。結果(=かけっこで1位)より過程(親と過ごす時間)を大切にしましょう。
難しい言葉を使わず、子供がイメージしやすくする
子供にはそれぞれ、ストンと腑に落ちる言葉や言い回しがあります。
大人の親目線で言う言葉は、大体「何言ってんの?」という顔で聞いています。
でも、それをかみ砕いて、子供に分かる単語・言い回しで伝えると「なるほど!」「そういうことか♪」という顔をしてくれます。
1回で伝わらなければ、2回、2回でダメなら3回と、根気強く子供が分かるように言い方を変えて伝えましょう。
- 叱らない・怒らない・走ることを楽しませる
- 難しい言葉を使わず、子供がイメージしやすくする
この2点がかけっこの練習で一番大事なポイントです。他のことは目をつむっても、この2点だけは守りましょう。
前傾姿勢・つま先で走る
まず、「走るときは前傾姿勢でつま先で走る」ことを知ってもらいましょう。
これを教えないと、かかとや足の裏全体で着地して、バタバタ・ドタドタ走ることになります。それでは絶対に速く走れません。
腕をしっかり振る
腕の振り方も教えないと、脇が開いていたり、肩・胸が前後に動いていたり、走るための腕振りになっていない子供も多いです。
- 脇を締める
- 手は力を入れずに軽くパー
- 力まず肘をしっかり後ろに引く
こんなイメージで腕を振るのがポイントです。
つま先で走ること、腕を正しく振ることがかけっこの練習のポイントです。具体的な練習メニューは、動画を交えて解説しています。
かけっこの練習動画
↑DVDの『かけっこがぐんぐん速くなる簡単な方法。』のダイジェスト版というか、youtubeでのPR版です。細かいアドバイスは少ないですが、腕の振り方の具体的なイメージができます。
↑原田拓さん(マラソンランナー)のキッズランニング教室の動画です。
参考になりそうな練習方法がありますが、短距離のかっけっこより中長距離のマラソンよりな感じでした。
↑『速くなる!かけっこ教室』としてyoutubeで6回分公開されていますが、ちょっと5歳児には難しい内容です。でも正しいフォームや理想形が分かるので、親が見ておくといいでしょう。
↑大阪・京都エリアの体育家庭教師さんの「短距離の走り方 3分動画」です。膝の動かし方、腕の振り方のの要点が分かりやすかったです。
他にも色々youtubeで動画をチェックしましたが、DVDを買ってもらうとか、レッスンに来てもらうためのPR動画がほとんどですから、細かい練習方法などは分かりません。
でも、スキップしてるシーンが多かったのと、腕の振り方をレクチャーしてるシーンが多かったのが印象的でした。
それとラダー(地面に置く縄梯子みたいな道具)・マーカーを使ってトレーニングしてるシーンも多かったです。そんなに高くないし、ラダー・マーカーは買ってもいいかもしれません。
かけっこの練習メニュー
youtubeのシリーズ動画を参考に、かけっこの練習メニューを考えてみました。
幼児向けではなく、小学校の中高学年向けだと思います。でも、ここでやるのは5歳児(年長児)なので、上手くできるわけがありません。出来なくても怒らず・叱らず、楽しみながらやることが大切です。
基本姿勢の確認・歩く
頭からお尻までまっすぐにキレイな姿勢を壁を使って確認して、その姿勢を崩さず腕を大きく振って歩く練習をします。
なわとびのうしろ飛び
つま先着地とまっすぐな基本姿勢をキープするのに、縄跳びのうしろ飛びが良いというのは全然知りませんでした。しかも、「早く飛ぶよりゆっくりがいい」のも子供でもやりやすいですね。
前進ジャンプ
前項の動画のうしろ飛び縄跳びの後に紹介されている「その場ジャンプ・肩押しジャンプ」はやらず、「前進ジャンプ」をラダーかマーカーを使ってやります。まっすぐな姿勢を保って、腕をしっかり振って、つま先で着地するのがポイントです。
腕振りの練習
腕を振ることに注意し過ぎると、上半身・肩がローリングする肩振りになりやすいから注意する。肘を90度に曲げてしっかり引くのがポイント。
子供の後ろに立って手を構えて、腕を振った子供の肘が手のひらに当たるように練習する。この時、速さよりも正確に腕を振ることを覚えてもらう。
ピッチ走
最初の1歩目を体から近くで着地して、かかとではなくつま先で着地する。しっかり腕を振ってテンポよくピッチを早くしていく。
全部で5つのメニューを紹介しましたが、5歳児はひとつひとつの出来栄えにこだわると、途中で集中力が切れてグダグダになってしまいます。
少しでもできたら褒めて、細かいところはスルーして、要点(基本姿勢・つま先着地・腕振り・速いピッチ)だけを押さえて練習するようにしましょう。
5歳児の運動遊びはラダーがおすすめ
かけっこの練習メニューを調べていて、おもしろい論文を見つけました。
保育現場におけるラダー運動の実践的効果について検証するために,ラダー運動を一定期間,運動遊びに導入し,各種運動能力および運動課題成就率に及ぼす影響を検証するとともに,特に走能力に対するラダー運動の効果について対照群を設定し検討することを目的とした。(一部抜粋)
ラダーは縄梯子状のトレーニング用品で、1つ1つのマスを色んなスタイルでステップして使います。このラダー使った運動遊びが、幼児の運動能力に与える影響を調査した論文です。
論文の内容は「ラダーを使った運動遊びをすることで、専門的なトレーニングをしなくても運動機能が向上して、運動課題の成就率が高まる傾向がある。」という内容でした。
4 歳~ 6 歳児の 20m 走タイムの伸び率がいずれも高値を示し,走能力に対するラダー運動の効果が認められた。
結論に↑このように書かれていました。これはかけっこの練習メニューにラダーを使わない手はありません。
論文の中で5つのステップが紹介されていました。
- かけ足
- 横向きダッシュ
- グーパージャンプ
- ジグザグジャンプ
- シャッフル
youtubeで検索したら、ラダーに関する動画もいっぱいありました。
このしょうた君なかなかやりますね。4歳9ヶ月でこの俊敏さ・正確さは凄いと思います。
ラダーを使った運動遊びなら、親の自分もやりたいし、簡単なステップからやっていけば、子供も楽しんでやってくれるんじゃないかと思います。
かけっこの練習メニューの前に、ラダーを使った運動遊びを始めようと思います。
【まとめ】かけっこの練習
5歳児(年長さん)向けのかけっこの練習方法をまとめました。
わが子のために調べた内容なので、世間一般の5歳児に当てはまるかどうかは分かりませんが、「かけっこで速く走ってもらいたい」とみんな思ってるはずです。参考にどうぞ。
私の出勤前、子供の登園前の短い時間を使って、天気さえ良ければ毎朝トレーニングしたいと思っています。やり始めたら、いろんな気づきもあると思うので、随時追記・修正していきます。
なにか「こんなのあるよ」という練習法があれば、是非教えてください!