偏差値と聞くと、受験をするときに参考にする数値となっていて、その数値をみて自分の行くことができる可能性のある数値のことです。
そんな偏差値ですが、そもそもいくつの数字だったら成績が良いのか、どれくらいあれば高いと言われるのか?
など、偏差値という言葉を聞いたことはあるけれども正直あまり知らないという方や、自分の偏差値の出し方を知らないという方もいると思いますので偏差値について書いていきましょう。
目次
偏差値とは?
テストを受けるとなった場合に基本となる項目は以下の4つとなります。
・点数
・順位
・平均点との比較
・偏差値
上記の3つの意味は非常にわかりやすいものとなっていますね。
点数はそのままあなたの受けたテストの点数の結果となっていて、順位はそのテストを受けた人達の中で「あなたは何位だったのか?」ということです。
平均点を出す理由はまず自分のテストの結果を見た場合に、自分の点数と全体の点数との差がどれくらいあるのか?ということを知るためにおこなっています。
もちろん平均点よりも高い方が良いに決まっていますが平均点が高いということはテスト自体が簡単であったということであり、その逆に点数が低かったという場合にはテスト自体が難しかったという判断ができます。
しかし、平均点だけでは自分の立ち位置が非常にわかりにくいという場合もあります。
例えば、1回目のテストでは70点以上の人も多かったがその逆に40点代の人が多くて結局平均点が50点になっている。
2回目のテストでは50点代の点数が多かったという場合には同じ平均点50点でも意味合いが異なってきます。
このような状態になると、自分の点数が60点であった場合に「良いのか?」「悪いのか?」の判断が付きにくいということになってしまいますし、他のテストを受けた人の点数の分布を見なければ自分は良いのか?悪いのか?正直判断もつきにくいというのが正直なところとなります。
偏差値は統計学を使っている
偏差値は統計学の「正規分布」というものを使っていて、釣り鐘型の統計のものを使っています。
この正規分布とは、基本的には中心が山のようになっており、そこから左右どちらへも下へ向かっている形となっているものとなっています。
統計学の正規分布というものを使って、「違うテストでも成績を比べるためのものさし」となるのが「偏差値」となっています。
もちろん受験の本番のテストは一回限りとなりますが、それまでにいろいろな模試を受けたり、テストを受けたりすることになります。
しかし、受けるテストによって難易度も異なりますしテストの内容や平均点も異なってきます。
もちろん全国規模のものがあれば、地域でしか実施をされていないものもありますが、各テストの偏差値を見ることで自分の実力が以前よりも上がっているのか?それとも下がっているのかの判断をすることができます。
また、偏差値を見ることにより自分の得意な科目、不得意な科目などが必要となっていますので偏差値を見ることが何よりも重要となってくるのは間違いありません。
夏に受けたテストで国語の偏差値が50だったのに対して、秋に受けたテストの偏差値が60に増えている場合には国語の実力が上がったということが判断できる基準となりますので偏差値はとても便利な数値管理のするためのものとなっています。
BFとは?
偏差値を使って会話をする際に「BF」という言葉を使うことがあります。
BFとは「Border Free」の略となっており、大学や高校などの難易度を示す数字となっており、その偏差値の数値を取った人の半数は合格をするが、半数は不合格になるという数字の証明となります。
例えば、ある大学の偏差値が60の場合には、自分が模試やテストなどをうけて持っている偏差値が60に近い場合には合格する可能性も高まります。
ですが、60から遠い場合には合格をする可能性も低くなるということです。
もし大学をこれから決めるという場合には一覧表などにあるBFを見ることで自分が合格をする可能性が高いかどうかがわかります。
また希望の学校の偏差値を見て目標の数値をして、そこへ目指して勉強を頑張るという方法にも使えます。
ちなみに偏差値の基本数値は50となっており、それよりも高ければ結果が良いということですし、50以下ならばもっと勉強を頑張らなければならないでしょう。
偏差値30だとかなり低い位置にいるということですし、偏差値70となるとかなり高い数値となっています。
もちろん30以下の数字もありますし70以上の数字もありますので理解をしておきましょう。
偏差値の計算方法
では、偏差値の計算方法について紹介していきましょう。
偏差値を見ることにより、自分の今後の進学の進路についても考えることができる大事な数字となります。
テストの結果などでは見ることもあるかもしれませんが、自分で結果を出せるようにしておくととても便利なので計算をしてだしましょう。
偏差値の求め方には2つあるのですが、最初に簡単に出すことができる偏差値の方法を紹介しましょう。
簡単な出し方は「偏差値=50+(自分の得点-平均点)÷2」です。
例えば国語であなたが60点の点数をとったとします。
その時のテストの平均点は70点だったとすると「50+(60-70)÷2」という計算が成り立ち「45」というのがあなたの今回のテストの国語の偏差値をいうことになります。
簡単な方法となっていますのでそこまで確実に正確であるということは言えないのですが、誤差はほとんどありませんので大体これくらいの数字になるかなという目安の数字になるという印象になりますね。
では、次に本当の詳しい偏差値の出し方についても書いていきましょう。
標準偏差を求める方法
正しい偏差値を出したいという場合には標準偏差というものを計算をして出さなければならないのですが、この数字をだすことがかなり難しいです。
時には正確な偏差値を知りたいという方もいると思いますので紹介をしていきましょう。
標準偏差とは、全員の点数のちらばり具合を計算したもので全員のテスト点数を求める方法です。正しい偏差値を求めるにはこの標準偏差という方法が必要となりますのでまずはそちらから求めていきましょう。
1.平均を求める
2.各要素の平均との差を求め、それぞれを2乗する。
3.2の平均を求める(この求め方を分散といいます)
4.3の求めた分散の平方根の正の法を標準偏差といます。
ん~これは正直わかりにくい求め方となりますので実際に数字を使って求めていきましょう。
本来は大人数のテストの点数から求めることになるのですが、5人のテストの結果から算出をしていきましょう。
A:50点、B:55点、C:70点、D:80点、E:95点とします。
1.平均を求める
まずはすべてのテストの結果を合算して平均点を求める方法を取りましょう。
(50+55+70+80+95)÷5人=70点
2.各要素の平均との差を求め、それぞれを2乗する。
各要素というのは各人の点数から先ほど1で求めた平均点を引いて2乗する方法です。
(50-70)2乗=400、(55-70)2乗=225 、(70-70)2乗=0、(80-70)2乗=100 、(95-70)2乗=625
3.2の平均を求める(この求め方を分散といいます)
では、次に2で出した計算式の平均値を求める方法を行います。
(400+225+0+100+625)÷5=270
4.3の求めた分散の平方根の正の法を標準偏差といます。
最後のこの式が難関となるのですが、ここをクリアすれば標準偏差がでてくるので頑張ってください。
√(270)=16.4・・・・・
このような計算式から標準偏差は16.4ということがわかりましたので先ほどの5人の偏差値を実際に出してみましょう。
正しい偏差値の求め方は「(自分の点数-平均点)×10÷標準偏差+50」です。
A:50点→(50-70)×10÷16.4+50=38
B:55点→(55-70)×10÷16.4+50=41
C:70点→(70-70)×10÷16.4+50=50
D:80点→(80-70)×10÷16.4+50=56
E:95点→(95-70)×10÷16.4+50=65
以上が偏差値の正しい出し方になりますが、この結果をみてみるとCさんが最も標準的な数字であるということになりますね。
偏差値とはテストを受けた人の点数がなければわからないものですが、中学校、高校、大学などのテストを受ける際には基準となる数字となっています。
もちろんこれだけ複雑な数字の出し方となっていますので大手のテストでは、パソコンを利用して数字を出すようにしています。
偏差値を上げる勉強法
偏差値の出し方はわかったけれども、自分の偏差値が低くて希望の学校へいけそうにないのでなんとか上げる勉強法はないものか?
そんな風に少しでも偏差値上げたいと思う方も多いでしょう。
これから高校受験、大学受験などを目指している人にとっては将来にかかわる問題ですのでここでは偏差値を上げる方法について書いていきましょう。
偏差値を上げるには?
ここでは偏差値について書いているものですが、塾の先生や勉強教えている人が口をそろえて言うことは「偏差値は一気に上がるもの」という表現になります。
どうしても数字関係をみているとじわじわと上がっていくものという印象が強く、一気に上がるというものはないような印象になりますね。
しかし、ある程度コツをつかんで勉強をしていくことで偏差値が一気に20上がったという事例もたくさんありますので、今の偏差値から20を目安に上げる方法を考えていきましょう。
ただし、元の偏差値の数値によります。
元から平均以下くらいの偏差値40を60に上げることは十分可能ですが、もとから高めの偏差値60を80に上げることは不可能に近いです。
あくまでも目安ですが、ここで紹介をする方法で偏差値を挙げられる可能性は十分ありますので取り組んでいきましょう。
短期集中で勉強する力を身に着ける
偏差値を上げたいけれども、長期的に勉強をするという場合には継続力も必要ですし、持続力も必要になります。
しかし、いくら頑張っても一気に上げるためには集中する時期が必要となりますので、まずはそこを理解してコツコツと集中をして勉強をしましょう。
目安としては1か月~2か月程度の本当に短期間での成績向上を目指させるために、コツコツと勉強をしていきましょう。
ただし、ダラダラとしても意味はないので短期的な視野で勉強に力をいれて取り組んでいきましょう。すると、継続して勉強をする力もつきますので短期的にしたことがいずれ長期的な視点につながります。
基礎的な用語を徹底して覚える
教科にもよりますが、とにかく必要な用語や言葉などは徹底して覚えるようにしましょう。
教科書や参考書など何でもよいので、緑マーカーと赤シートで隠したりして一気に覚えることを意識してくださいね。
私も記憶をするときはマーカーと下敷きを使ったり、時には覚える単語を口に出したり、買いたりして覚えたものです。
自分がやりやすい方法で構いませんので、基礎的な用語を徹底して覚えて学力をあげましょう。
1つの問題集を徹底してやってみる
勉強をする際にダメな方法はいろいろな参考書や問題集を使って勉強をすることです。
いろいろな参考書を使うと勉強をする際に知識にならず浅くなってしまいますので、問題を解くと決めた問題集を徹底して何回も解いていきましょう。
たった1冊の問題集ですが、これがすべて自分の力で解けるようになると驚くほど勉強に対する力がつきますので1冊の問題集を何周も解くようにしましょう。
効率的に勉強を進める
しかし、1冊の問題集でも解いていくと時間もかかりますし、手間もかかります。
実はこの問題集を1冊終わらせるコツとしてはいろいろな問題の解き方をいかに覚えることができるかという点です。
解き方を覚えると同じような問題やパターン違いの問題が解けるようになります。結果的には問題を解くことができますので勉強が楽しいという気持ちになります。
その中で5分考えても解けない問題が出てきた時は、ひとまず自力で解くことはあきらめて答えを見ながら実際に解きましょう。
すると、解き方がわかるのでその問題集の2周目には解けるようになります。
もちろんもうわかっている計算式は省略をしてしまっても構いせんので、効率的に1冊の問題を何回も解くようにしてみましょう。
1日に解く問題数を決める
勉強をする際に一気にしてもあまり意味はなく、コツコツと継続していくことで学力を定着させることになりますのでメリットも高くなります。
無理なく自分が毎日続けられるように勧めていくことが大事ですね。
例えば200問の問題集があった場合には1日3問など決めていきましょう。
月~土までは問題と解くことを意識して、日曜日は総復習の日にすると200問の問題集だと約2か月ほどですべて解くことになります。
最初に書いたように短期的に力が付きますし、時間があるならこのやり方を2教科・3教科と実行していってみると、いろいろな教科に応用がききますので、無理なく問題を解くようにしていきましょう。