将棋のタイトルとルールと棋士の賞金について

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将棋

将棋といえば、中学生棋士として人気を集めている藤井聡太四段の影響やひふみんこと加納一二三さんがテレビ番組で人気となり注目を集めているゲームです。

そんな将棋にはタイトルというものがありプロ棋士たちはこのタイトルを取ることにより賞金を得たり、名誉を得たりしています。

しかし、将棋に関してあまり知らない方はタイトル戦などニュースなどで見ることはあるのですがどれくらいすごいものなのかもわかりません。

また、1つのタイトル戦でどれくらいの賞金がもらえているのかもわからないと思いますので、ここでは将棋のタイトル戦や賞金、将棋の簡単なルールについて紹介をしていきましょう。

将棋とは?

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その前にまずは将棋とは?という初歩的なことからおさらいをしていきましょう。

将棋とは、頭脳戦のゲームとなっており2人で勝敗を競うゲームとなっています。

将棋を行うことを「将棋を指す(さす」という言い方になっていて、よく「将棋と打つ(うつ」を勘違いをする人もいるのですが正確には「指す(さす)」が正しい言い方となっています。

「打つ」は囲碁の世界で使われる言葉となっていますので将棋と囲碁が混同するとそんな風に言われることがあります。

将棋の試合は1試合という数え方ではなく、「一局(いっきょく)」という言い方になっていて、プロ棋士の戦いが決まると「対局(たいきょく)が決まりました。」というような表現になるのはそのためです。

(参考:公益社団法人日本将棋連盟「将棋の基礎知識」

将棋のルール

ルールはとてもシンプルです。

将棋に必要なものは「盤」と「駒」です。

盤とは将棋の競技場のようなもので、駒はスポーツでいう選手のようなイメージとなっており、盤は9×9のマス目が記載をされているもの。

駒は全部で40枚あり、対局の最初には20駒ずつもった状態から始めることとなります。

あとは先攻後攻を決めて対局が始まります。

将棋のルールとしては、駒を一回動かすことと「一手指す」という表現にしているのですが、2人の対局となりますので交互に一手ずつ指すこととなります。

ちなみに最初に指す人のことを「先手」と言い、あとから指す人のことを「後手」と呼ばれています。

初歩的なルールをこちらにまとめました。

・将棋は一手ずつしか指すことができない
・指したい手がなくてもパスはできない
・指したい手があったとしても2回連続で指すことはできない

この3点を守って対局が進んでいくことになります。

駒の中に王将と呼ばれる一番重要な駒があって、この王将を取られたほうが負けという単純なルールです。

プロも素人も変わらないのはこの「王将」を守るため、また相手の王将を取るために駒を動かして戦術を考えるあたりに将棋の面白さがあるかなと思いますね。

初心者の基礎知識

将棋のやり方とルールにはついてはわかっていただけたかと思いますが、実はもっと基礎的なこともあるのでそちらも紹介をしていきましょう。

駒は全部で20駒ずつ持っているのですがそれぞれに動きの制約ルールがあります。

例えば、「歩」という駒だと最初は前に1歩ずつしか進めない、「角」は斜めにしか動かせないなど各駒の動かし方が厳格に決まっています。

これも将棋の面白さということになります。

他にも初心者が知っておきたいことをまとめると、

・自分の駒があるところには自分の駒は移動できない
・相手の駒のところへ自分の駒が行くと、その駒は自分のものになる。これを「持ち駒になる」と言います。
・持ち駒は原則として自分の好きなところへおくことができる
・相手の陣地へ(相手から3列まで)入ると駒を動かして裏返すことができます。(これを「成る」というのですが、駒の動かし方が変わりますね。)

もちろん絶対に成る必要はなく、自分の判断で成らないという方法もありますが一度成ると元には戻れません。

ちなみに成らないことを「不成(ならず)」という言い方をしますね。

アプリのゲームが無料なのでおすすめ

初心者が将棋をやってみようと思った場合にはスマホのアプリなどのゲームから初めてみましょう。

無料のものも多く実際にやってみることでルールもわかってくると思います。

将棋アプリならば「将棋ウォーズ」というのがとても面白いといわれていますので探している方はまずダウンロードしてみてはいかがでしょうか?

将棋のタイトル

将棋

ここまで将棋の基礎的なルールについてご紹介をしました。

プロの棋士もこのルールを厳格に守っていて、ルールの中で対局を進めていくことになります。

プロ棋士には6級から九段までの15段階に分かれています。日本将棋連盟の養成機関である「奨励会」に入って三段リーグ戦を勝ち抜いて四段に昇段をすることによって、晴れてプロになれます。

もちろんプロ棋士にならなければ、タイトル戦の予選にすら参加をすることはできません。

タイトル戦は全部で7つあり、「名人」「竜王」「王将」「王座」「王位」「棋聖」「棋王」ですべて新聞社の主催の大会となっています。

すべて1年に1期。つまり一回しか対局はおこなわれないため、勝者になると1年間タイトルホルダーとして活動をすることになります。

この1年に一度の対局も昨年のタイトルホルダーと挑戦をする相手との手合わせとなるため挑戦権を手にいれるためにも長い対極を勝ち上がってこなければなりませんのでタイトルを取るということは非常に狭き門を通ってくるということになります。

ちなみにタイトル戦の中でも歴史の古い「名人戦」と優勝賞金が最も高い「竜王戦」は格式が高いといわれています。

タイトルといえば羽生善治さんが現代の将棋界では王者的な存在となっています。

羽生さんは現在のプロ棋士では唯一「永世7冠(えいせいななかん)」という称号を持っているプロ棋士です。

羽生さんは竜王戦の通算7期獲得しており、すでにほかの6つのタイトルの永世称号といあわせて史上初の永世7冠を達成しました。

ちなみに羽生さんは1995年に7つのタイトルをすべて獲得していた時代があって羽生七冠と呼ばれている時期もありました。いかにすごい人物かということはおわかりいただけると思います。

女流棋士もいるの?

将棋の世界は男の世界と言われることも多いのですが、最近は女性でもプロの棋士になることはできます。

もちろん女性でも関係なく、男性と同じ四段以上でなければプロと名乗ることはできない決まりとなっていますが完全な実力主義の世界といってよいでしょう。

そのため現在も女性のプロの棋士はいないのが正直なところですので、日本将棋連盟もプロ棋士とは別の規定を満たした「女流棋士」をプロと認めていて、女性だけが参加をすることができる女流タイトル戦である「女流名人」「女流王座」など6つのタイトル戦も用意をされています。

タイトル戦の賞金は?

将棋

もちろん気になるのはプロ棋士って儲かるの?また、タイトルの優勝賞金は?というところだと思いますので紹介をしましょう。

実はタイトル戦の賞金などについての詳細情報は表にあまり出ていないのですが、例年の賞金金額などから算出をしてみましたので紹介をしていきましょう。

竜王戦

竜王戦は将棋タイトルの中で最も賞金金額が高い大会といわれています。

竜王戦は7番勝負で行われ、先に4勝した方が勝ちという大会となります。

第30期の優勝賞金は4320万円と言われていて、負けた場合の賞金は1620万円、竜王に挑戦をするための決定戦で両社に460万円のお金が支払われるということになります。

名人戦

名人戦は将棋の世界で最も格式のある大会とされており、400年以上の歴史のある最も古く権威のあるタイトルとなっています。

ちなみに名人戦に参加をするためには八段以上の資格を持っていることが条件となっており、プロ棋士になってから最低でも5年はかかると言われているタイトル戦へいくだけでも最も難しいタイトル戦です。

こちらは竜王戦とは違った賞金となっており、対局料として名人に1050万円、挑戦者450万円で勝者に1200万円、敗者に300万円となります。

名人になるとそれ以外にも月に100万円の名人手当がもらえますので挑戦者が名人になるだけでも約2850万円の賞金を手にすることができるということです。

王位戦

すべての棋士と女流棋士2名が予選を行い、予選を勝ち抜いた8人とシードの4名が2つのブロックに分かれて行う総当たり戦を行い、各ブロックの勝者の勝ったほうが王位への挑戦者となります。

賞金は700~1000万円前後となっています。

王座戦

予選から勝ち上がり、挑戦者トーナメントで勝ち抜くことによりやっと王座戦へ臨むことができる戦いとなっています。

賞金は500~800万円前後となっています。

棋王戦

すべての棋士が参加可能でアマ名人も参加をする予選トーナメントを行います。

最後まで勝ち抜いた人とタイトルホルダーである棋士が戦うこととなりますね。

賞金は500~600万円前後となっています。

王将戦

全部の棋士が参加可能なタイトルとなっています。

この大会の面白いところは、タイトルを獲得した棋士は記者がいろいろな注文をつけて写真を撮るのが恒例となっており、勝ったのに変な格好をさせられることから「勝者罰ゲーム」と言われています。

賞金は300~500万円くらいとなります。

棋聖戦

予選を勝ち上がった人とシード選手の16名でトーナメントで戦い勝ち上がった人が挑戦者となります。

賞金は300万円前後。

タイトルを獲得すればそれなりの賞金を名誉を手にすることができますが、タイトルに挑戦をするだけでも狭き門となっており将棋の世界は厳しいですね。

将棋の駒の動かし方

将棋

ルールについては先ほど紹介をしたので、次に将棋の駒の動かし方についても紹介をしていきたいと思います。

将棋にはいろいろな駒がありその駒によって動ける範囲も強さも異なります。

そのため、1つの駒の動かし方は命取りになることもありますし、1つの駒の動かし方で大逆転へ持っていくことができる可能性もあります。

私もあまり知らないので、ここでは将棋の駒の動かし方について整理をしていきましょう。

王(おう)

将棋で最も大事な駒である「王」です。

この駒を取られた時点で終わりとなってしまいますので王が相手の陣地へ攻めるということはほとんどありません。

王の駒は全方向へ1マスのみ動けますが、相手の陣地へ入っても成ることはなくそのままになります。

金(きん)

は後ろ斜め以外の場所へは1マスずつ動かすことが可能となります。

基本は守りに使われる駒として扱われるため王の近くにおいておくケースが多いですね。

金も相手の陣地へ入っても成ることはなくそのままの駒として動くことになります。

銀(ぎん)

の動きはなかなか難しいのですが、前、斜め前、斜め後ろに1マスずつ動かすことができますが、横と後ろへは動かすことができません。

守りにも攻めにも使われる駒となっており、最初は2枚あることから1枚は攻め、1枚は守りの役割として使われることが多いです。

銀は相手の陣地へ入ると成銀といって銀から変化をします。

動かし方は金と同じになります。

桂馬(けいま)

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桂馬も特殊な動き方をする駒となっていて、斜め前方の1マス飛び越えた場所へ動かすことが可能となっています。

また、基本は将棋の駒は前方に駒があると追い越すことができない決まりとなっているのですが、桂馬に関しては飛び越しても良いことになっている特殊な駒となっています。

相手の陣地に入ると成桂(なりけい)と呼ばれる形となり金と同じ動きとなります。

香車(きょうしゃ)

香車の動かしかたはとても簡単で前方に一直線にいける駒です。

基本的には駒にぶつからない限りどこまででも動かすことができる駒となっています。

相手の陣地に入ると成香(なりきょう)という名前に変化をし、金と同じ動かし方となります。

飛車(ひしゃ)

飛車は、前・後ろ・右・左は制限なく自由に動かすことができる駒となります。

飛車は攻撃の要になると言われている駒で、初心者も扱いやすく好む駒となっています。

相手の陣地に入ると「龍(りゅう)」に変化をし、飛車の動きである前、後ろ、右、左の動き加えて斜め前、斜め後ろに1マス動かせるようになります。

角(かく)

も飛車と同様攻撃の要となります。

動きは前方ななめ全部、後方ななめ全部に制限なく動かすことが可能となっており、使い方は少し難しいですが斜めに動かせるため死角から攻めることできる駒です。

相手の陣地に入ると「馬(うま)」に変化をし角の動きに加えて前後左右の1マス動かせるようになります。

歩(ふ)

は前に1マス動かすことができる駒となっており、対局がはじまってまずは動かす駒となっています。

1つずつしか動かせないため地味は駒となりますが、相手の陣地に入ると「と金(ときん)」という名前に代わり一気に金と同じ動きになれます。

歩の頃から比較をすると一気に昇進をする駒なので頑張って相手の陣地も持っていきたい駒といえます。

将棋ルール 歩で王手は禁じ手?

将棋

将棋のルールについていろいろと書いていますが、初心者がやりがちな禁じ手についても書いていきましょう。

禁じ手とは「やってはいけない方法」ということです。

将棋の中にはやってよいこともあれば、ダメなこともありますので合わせて紹介をしていきましょう。

反則をするとどうなる?

実は将棋で反則をした場合にはただちに投了しなければなりません。

つまり、反則負けということになります。

反則は1つではなくいろいろな種類がありますので紹介をしていきましょう。

二歩

これは歩(ふ)の動きになるのですが、縦の一本の道を筋(すじ)というのですが、そこに歩が2つ並ぶことは反則となっていますので注意をしましょう。

ただし、例外もあり1つが相手の陣地に入って成ることにより「と」に代わっていればその後ろに歩がいても問題はありません。

あくまでも歩が2ついる状態はダメということになります。

打ち歩詰め

これは歩を使って相手の王を詰まらせるのは反則となっているルールです。

これはよく間違われるのですが、歩を打って相手にいきなり王手をかけることは反則ではなく、あくまでも王を詰まらせることを言います。

王手放置

これはそのままの意味となっており「王手」を受けているのに何も対応をせずに防ぐ方法などもしないことを言います。

王手がかかっているのに違う手を指すをいうことは「負け」を指しています。

そこで回避の方法をせずに動かすということは勝負を捨てているという判断になるため王手がかかった場合には何らかの方法で王手から逃れる方法を実践しなければなりません。

また、自分の駒を置いていることにより王手を防いでいる状態から駒を動かすことにより王手になることも王手放置と同じ理由により反則となります。

動かせない場所へ駒を動かす

この反則は将棋の初心者がしがちなのですが、駒を動かせない場所へ動かすのはダメです。

例えば歩は前に1マスしか動かせないのに斜めに動いたり、横に動いたりすると問題になりますので気を付けましょう。

また、相手の陣地に入っても成ることができない駒を成るというのも反則となります。

行き所のないところへ駒を指す

駒が動けない場所へ動かすことも反則となっています。

例えば、歩、香、桂は前にしか動けないのに敵陣の一番奥まで行ってしまい成ることをしないとそのまま一生動くことはできません。

二度と動けない駒を作ることは反則の1つとなります。

二手指し

これは自分が連続をして指してしまうことです。

将棋のルールは基本的に自分が指した後は相手が指すことになりますがそのルールを無視して指してしまうと反則となります。

初心者の人に多いのですが、王手を指したいという気持ちから先に手を出してしまうこともありますし、目でみて「あそこへ指せば勝てる」と思うこともありますが将棋は順番に指すことに面白さがありますのでやめておきましょう。

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