ブラック企業とは何か、
どんな会社をブラック企業というのかは
定義が無いのが実情です。
テレビやメディアでもよく耳にするし、
日常会話でもブラック企業という
ワードはよく聞くし
「うちブラックだから」
なんて言う人も多いです。
そんな風に軽く聞くワードという反面で、
ブラック企業に身を置き心身をボロボロに
しならが、異常なプレッシャーのなかで
長時間労働を強いられている人が現実に居ます。
ブラック企業に定義は無くても、
特徴はあるのでブラック企業の特徴を知って、
取り返しがつかなくなる前に対応しましょう。
目次
ブラック企業の特徴
ブラック企業は、
そもそもが労働基準法を守ってません。
というか、「全ての経営者が労働基準法を
細かく理解しているか?」というと
理解していない経営者が多いです。
知らなくても会社は作れるし、
雇用に関する手続きさえしていれば
人を雇うこともできます。
「知らなかったら守らなくていいのか?」
↑これはもちろん違います。
どんな法律でも知らなくても
法律を犯せば罰則を受けます。
ただ、労働基準法に関しては法律違反があって
即罰則になるかというと、通常はなりません。
罰則を課せられる前に、是正勧告を受けます。
残業代の未払いでも、遡って支払えば
罰則を受けなくて済みます。
そんな実情ですから、ここでは
「労働基準法では●●」という細かい解説ではなく、
大まかな特徴を紹介します。
長時間労働・残業の強要 休みが極端に少ない
労働時間は1日8時間・週40時間が基本です。
ただブラック企業でなくても、
この時間が守られている企業は多くありません。
だからってそういう会社が「全部ブラック企業か?」
というとそうではないです。
目安は1ヶ月で45時間です。
この数字を越える残業が当たり前で、
週休1日も当たり前で、その休みすら
飛ぶことが多々ある場合は明らかにおかしいです。
自分の仕事は終わっても上司・同僚が
忙しそうにしていて、帰ろうとすると
白い目で見られるような職場は要注意です。
具体的に以下のようなケースが多いです。
- タイムカードを打刻した後に残業している
- 勤務時間が自己申告制だったり正確に管理されていない
- 実力・実績が無いのに管理職にされる(管理監督者は労働時間・休日の規定適用外)
- 有給休暇が無い・使わせてもらえない
給料を下げられる・昇給が無い・残業代が支払われない
仕事のミスやノルマ、売上によって
どんどん給料を下げられたり、
年次の昇給が全くない、若しくは
微々たる額なのはおかしいです。
基本給は基本的に簡単には下げられません。
一方的な減給は実は違法なんです。
減給は労働者と使用者の合意が必要です。
減給できる額も限度が決まっていますから、
勤務態度・業績で軽々しく給料を
下げられるのはおかしいと考えましょう。
昇給に関しては会社の業績にもよりますし、
一概に「年に●●円以下はブラック」とは
言えません。
他に
- ボーナスが全くない
- 基本給が異常に低い
- 残業代が支払われない
などもブラック企業の特徴です。
固定残業代制で基本給と残業代の額が曖昧
ブラック企業の残業代込み(固定残業代制)の仕組み
残業代込み(固定残業代制)は、ブラックではない
一般企業の多くも取り入れている制度で、
「みなし残業」とも言われます。
この制度は働く側にとって不利益になりやすい制度です。
運用する側の誤解若しくは、確信犯的な
使い方によって、会社側の賃金削減の方法の
ひとつとなり問題になっています。
そしてブラック企業がよく使う手口のひとつです。
固定残業代制のシステムを理解していないと、
自分の給料が正しく支払われているのかどうか
分かりません。
出来れば求人を見る段階で、
固定残業代制を正しく理解し、
不利な条件で採用されないようにしましょう。
しかし、ブラック企業の場合、入社後に
「実は給料のうち●●万円は残業代だから」と
知らされるケースもあります。
応募前に分からないのであれば、
面接で残業代について聞くことも、
入社後のトラブルを減らすために大切です。
もし、今働いている会社の残業代込みの給料が
おかしいと感じたら、就業規則や賃金規定、
雇用契約書を確認したり、
言いにくいでしょうが人事・上司・経営者に
確認することも必要です。
固定残業代がいくらかわからない
求人に「残業代込みで30万円」と書かれていたら、
「残業あるけど月30万なら良いな」と思いがちですが、
実際に基本給がいくらで、
残業代込みの分がいくらなのか分かりません。
残業代込みの場合、固定残業代の金額と
時間を明示しなければいけません。
そして就業規則や雇用契約書に記載して
従業員に周知しないと固定残業代は導入できません。
ですから、
「みなし残業の金額、時間数がわからない」
という時点でおかしいわけです。
固定残業代を超えた残業代・休日出勤分を払わない
「残業代は固定だからどんなに
残業が多くても追加はない」というのが
ブラック企業がよく使う手です。
そして多くは前項で紹介しているように、
給料に含まれる固定残業代の金額と
時間について知らされていません。
働いている人も、そこを明示しなければ
いけない(=自分が知らない事がおかしい)という事を
知っていなければ、延々とサービス残業を
続けなきゃいけなくなります。
また、就業規則や賃金規定で、固定残業代について
時間外手当なのか休日労働手当なのか、
それが何時間分なのかも規定していなきゃいけません。
時間外手当だけの場合、固定残業代に
休日出勤分は含まれませんから、
追加で支給しなきゃいけません。
もちろん、時間外手当分で規定された時間を
超えた分も追加で支給されます。
残業代込みの時間以下だから払わない
「残業代込みの時間に足りないから
固定残業代をカットする」のもダメです。
仮に「30時間分5万円の残業代を含む」という
給与形態で、1ヶ月の残業が20時間だった場合でも
30時間分5万円を支払わなきゃいけないのが
固定残業代制です。
35時間になれば5時間分の追加も
払わなきゃいけません。
計算すると残業代の時給が低すぎる・最低賃金を下回っている
例えば給料が20万円で、そのうち5万円が
固定残業代だとします。
基本給が15万円ですから、所定労働時間が
168時間(8時間/日×21日)だと時給換算で
893円になります。
東京・神奈川以外では最低賃金を上回ります。
しかしこの5万円の固定残業代が
60時間分の残業代という規定だったとすると、
5万円÷60時間で時給833円になります。
残業代は25%の割り増しですから
893円×1.25=1,116円でなければいけません。
となると60時間分といっても44.8時間分にしかなりません。
固定残業代が多く基本給が低い場合は、
最低賃金を下回る場合もあるので
自分で計算してみてください。
パワハラ・モラハラ・セクハラの常態化
ブラック企業は各種ハラスメントの宝庫です。
言葉は悪いですが、
社員と共に成長しようとは考えていません。
使いやすい駒に仕立てて、
使えなくなったら捨てるという考えの会社です。
試用期間・研修で事あるごとに
些末な事で怒鳴られて人格を傷つけられたり、
「辞めさせる」と脅されたり、クリアできない
無理難題を押し付けられ連帯責任を取らされるなど、
叩きのめされて上司に服従する気持ちを植え付けられます。
実際の仕事が始まってからも、絶対服従の
システムは変わらず、少しでも「使えない」と
思われると、自主退職するまで追い込まれます。
社員の入れ替わりが激しく常に求人を出している
常に求人を出しているのも
ブラック企業の特徴のひとつです。
いくら人材不足とは言っても、中小企業が
年中求人を出していて、応募が無いなら別ですが
どんどん採用しているとしたらおかしいです。
裏を返せば「どんどん辞めていっている」から
求人を出しているわけです。
また、一度に大量に募集している企業も
注意が必要です。新規事業所の設置などなら別ですが、
そうでないのに減る事を見越して20~30人を
採用しようとしているケースもあります。
ブラック企業の特徴【まとめ】
ブラック企業の主な特徴を紹介しました。
いかがですか?
自分の会社はブラックだと思いましたか?
全てに当てはまらなくても、いくつかだけでも
「そうそう、これある!」と思う点が
あったのではないでしょうか。
だからといって、「スグ辞める」という決断は
なかなか難しいと思います。
それぞれ貯えや背負ってるもの、年齢、スキルが
違いますし、求人倍率が高くなっているとはいえ
良い条件で中途採用の正社員で転職するのは
簡単ではありません。
そこで、よく考えてください。
「このまま今の会社で働いて未来はあるのか?」
というところです。
「未来はない」と思うのであれば、
転職に向けた準備を進めるのが大切です。
ブラック企業に勤めながら転職活動を
するのは非常に難しいですが、今と未来は
直結していますから、今を変えなければ
未来も変わりません。
転職サイトに登録して求人をチェックしたり、
ハローワークの求人も、ハローワークへ
行かなくてもインターネットから
閲覧することができます。
どんなことからでもいいので、現状を
打開するだめのアクションを起こしましょう!